*

ジャーナリストに学ぶコンテンツ創出法「調べる技術・書く技術 」野村進

公開日: : おすすめ書籍, 書籍

プロのジャーナリストに学ぶコンテンツの生み出し方

調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)

アフィリエイターにこの辺を学ぼうとしても、リンクのつけ方やターゲットの絞り方、検索キーワードの使い方は細かいけれど、肝心なコンテンツの生み出し方は学べない。そもそもアフィリエイト自体広告業だから、コンテンツは主か従かといえば、従なんだ。

コピーライティングもなんか違う。セールスレターのコピーライティングをいくら学んでも、本当に自分が目指すコンテンツは作れない。そう悟った。結局、売るためのコンテンツは、なんか違うんだよね。

コンテンツの生み出し方を迷い続けた私が向かったのはジャーナリストたちだったんだけど。

ジャーナリストの姿勢に学ぶコンテンツ作りに開眼

どうも、この方向性は正しいようで。自分の見る目を改めてほめたくなった。さすがアマゾンで好意的なレビューが多いだけはあるけど、今回は、テーマの選び方に関して、著者が述べていることでヒットした点を3つあげてみたいと思う。

自分にとってのチャップリンのステッキをみつけよう

「チャップリンの笑いは喜劇映画に革命をもたらしたと言われるが、道具立ては全て使い古されたものばかりであった。有名な山高帽にしても、誇張したメーキャップや付け髭にしても、だぶだぶのズボンにしても、それにあのドタ靴だって、従来の喜劇でお馴染みの代物に過ぎなかった。だが、チャップリンが違っていたところが、ひとつだけある。それは、ステッキを取り入れたことだ。あの1本のステッキこそ、山高帽や付け髭やドタ靴に統一感を与え、今まで見たこともないコメディアンが出現したと観客に印象づけたというのである。
テーマを決めるときには、このチャップリンのステッキを見つけさえすればよい。本来の意味での「独創」では無いけれどそれまでのくすんでいた色合いががらりと変わって、鮮やかな印象をもたらすだろう。読者の側には、それが「独創」と受け取られるのである。」(P15-16)

もっとも、誰も思いついていない独創的なものなど、もはや誰も持っていないだろう。そうなると、ちがいはほんの一点しかない場合が多い。しかし、その一点こそ、大きな違いをうむというわけだ。

著者は「コリアン世界の旅」を書いた時に、日本の中のコリアンという著作は非常に多いものの、世界の中のコリアンを取り上げたテーマはないことに気づく。在日を中心にすえながらも、海外に在住していくコリアンを追っていくルポは新しい視点を開いた。

コリアン世界の旅 (講談社文庫) コリアン世界の旅 (講談社文庫)
野村 進

講談社 2009-05-15
売り上げランキング : 205911

Amazonで詳しく見る by G-Tools

在日コリアンを題材にしたものは多いけれど、ほんのちょっとの違いがオリジナルになるというわけだ。

ネット上にコンテンツをつくる場合、とりわけ、アフィリエイトの場合はすでに広告が決まっているので、どうしても似たりよったりのテーマ選定になってしまう。悪い例で言えば、「育毛剤 評判」「育毛剤 クチコミ」「育毛剤 おすすめ」こんなサイトばかりが検索結果に並ぶ。

そこで、チャップリンのステッキだ。

自分は、いったいどこに違いを見出すことができるかということだ。以前、育毛剤に関しては、けっこう辛口の記事を書いた。

アフィリエイトの泣き所、お金の匂いがするところにある「偽善」と「危険」

現在、販売されている育毛剤の多くが「今ある髪の毛」を育てますよ、というもので「発毛」は謳っていないというものだ。その観点からすると、調べれば調べるほど、育毛剤を勧めるサイトは作りづらくなる。ここで発想の転換で、こんなサイトはどうだろう。

↓  ↓  ↓
「育毛剤はどれも効果なしなので結局アデランスにしました日記」

育毛剤の真実をネット上で暴き、もうせいせい堂々とアデランスをアフィリエイトするのだ。育毛剤を売るためにサイト作る人にはどうしても、書けない情報を遠慮なく盛り込んでいくので結果としては、自然なアクセスが集まる。そして、アデランスがどれほど自然なのかということを売り込む(笑)

まあ、それはいい。

そんなイメージ。結局、みんなと同じテーマ(切り口)を選び続けるので、アクセスもなければ、成果もないわけだ。もちろん、収益が出る市場でなければ、そもそも人がいないので、あまりにもニッチなジャンルを選ぶべきではない。大きなテーマ(稼げる市場)の中のニッチを狙うというイメージだろうか。

*注:私は育毛剤アフィリエイトはやってません、念の為にw

自分の「原体験」こそコンテンツの源

Midafternoon of autumn #02Midafternoon of autumn #02 / daita

「自分は何者なのか。なぜノンフィクションを書くのか。この2点だけは、若いうちに突き詰めて考えておこう。その答えはたいてい、自分の出自や生い立ち、中でも思春期までの体験に求められるはずだ。それを、以前は「原体験」と呼んだ。
・・・
以前、吉行淳之介は、身の回りに殺人犯がいたり、妹が娼婦をしていたりする作家のことを逆説的に「サラブレッド」と呼んだが、読者の大半はそのような「サラブレッド」ではあるまい。だが、何かを書きたいなら、現在の自分を形作った根っこにあるものを、しっかりとつかまえて、よくよく噛みしめておきたい。フィクションであれノンフィクションであれ、書き手が立ちかえれるところはそこしかない。」(P25 一部抜粋)

サラブレッドとは面白い・・・。

一般的にいえば、超不幸な生い立ちに見えるかもしれないが、コンテンツを生み出す側にまわれば、それは一般的には経験していないことを語れるチャンスなのだ。結局のところは、幼少期から青春期までの生い立ちの中に、その人は形作られる。

最近読んだ「究極の鍛錬」という本によると、

究極の鍛錬 究極の鍛錬
ジョフ・コルヴァン 米田 隆

サンマーク出版 2010-04-30
売り上げランキング : 19166

Amazonで詳しく見る by G-Tools

だいたいからして、才能など実証できないそうだ。つまり子供の頃から天才なんて人はいなくて、幼少期からどれくらい「鍛錬」されてきたかがポイントだという。たとえば、タイガーウッズは、父親のアール・ウッズから生まれた瞬間からゴルフ教育を受けて育ったし、モーツァルトも同じ、イチローだってそうじゃない?親がどれくらいその道に熱心に進ませようとしたかで、だいたい人は形作られているという。

私とタイガーウッズの違いは父親がアールウッズではないことだって(笑

まあ、親に恵まれなくても、幼少期から何に関心を持ち、何に毎日ふれ、何を考え、これが人のもつ根っこになるのは間違いないので(望んでも望まなくても)自分が何もので、何を発信すべきかは自問していたい。たとえ不幸な体験だとしても。

そして、それ(原体験)は人と被ることがないテーマになる。

自分で言うのもなんだけど、私の長所、短所の一つは「正直」であること。つまり、自分が本当に推せないものを売ったり、勧めたり、どうしてもできないのだ。これは、親の教育ですね。商売上はこれはデメリットになることのほうが多い。だいたいからして、本気でおすすめできるものなんて、あまりない。だからこそ、考えあぐねて作ったノウハウがある。それも、自分ならではということになるだろう。

ついでにアフィリエイト
ウレラキアフィリエイト

このへんは、私ならではの視点なのです。なので成果が出た。
(自分で言うとアホみたいですね・・・。)

*昔は、何も考えず売りまくれる人をうらやましく思ったこともあるけど、だいたいからして、価値観とか考えが違う。私は誰かにはなれないし、誰かは私にはなれない。そんな単純な事実を知った。

濫読で自分の中に「貯水池」を作る

Sengari Dam / 千苅貯水池Sengari Dam / 千苅貯水池 / kayakaya

「最後におすすめしたいのは、やはり濫読である。とくに、よいものをたくさん読むことだ。・・・活字に限らない。映画でも、芝居でも、絵画でも、音楽でも、あらゆる表現で、まず自分が関心を持ったものにどんどん接していく。最初は広く浅く、徐々に狭く深く、いずれは広く深く、方向性を変えながら、貪欲に吸収していく。すると、いつの間にか自分の中に「貯水池」のようなものが出来上がっているのに気づくだろう。貯水池に水がだんだんたまっていき、あふれ出たものが、自分のテーマなり、自分の表現なりになる。そういったイメージが、私にはあるのだ。」(P241)

著者は一人旅も勧めている。以前読んだ、この本と同じ。

(書評)弱いつながり 検索ワードを探す旅 東 浩紀

新たなものとの出会いがなければ、人に伝えるべき情報もない。澱んだ水貯は、多くの人に喜びを与える水源にはなれない。とにかく自分の中に、どんどん蓄えていき、それが自然に溢れ出るのをまつ。これもまた面白い。

ネットの中の情報だけでは、どうしても気持ちが枯渇してくる。

気持ちが枯渇してしまえば、もはやコンテンツなんて生み出せない。外に出ないことには、新たなものをネットを通して表現などできない。ということで、私は古本屋をブラブラするわけですね(図書館もいいけど、できれば本を買いたいから)。だいたい一回行くと500円以内に抑えるようにしているけど、良質な本に出会えた時の喜びは大きい。しかも、数冊本を買うと、その時に自分が興味を持っているものが、分かったりする。これもまた楽しい。

私の場合は、ひとや人の体験が好きだけど、積極的にいろいろ話にいったり、インタビューしたりはしたくない(そこらへん出不精なのだ)、でも本なら引きこもり気味の私にも多くの刺激を与えてくれる。この本もそうだけど、成果を上げ続けてきたジャーナリストと話す機会なんて普通ない。だからこそ、読書から始める出会いって大きい。

古本屋だったころは、山買いして、どんな本が自分のもとにやってくるのかわからない、あのドキドキ感もたまらなかったけど。今は、ぷらりとせどりも悪くない気がしている。定年後の趣味に、せどりはピッタリだ。大金を稼ごうとかじゃなくて。

と、話がそれたけど、濫読を肯定してもらってなんだか嬉しくなった。

自分で調べて書くということ

ジャーナリストがすごいのは、自分で命をかけておうテーマを見つけて、情報収集して、調べて、書くこと。1冊の本を書くのにも相当のエネルギーが込められている。圧倒的な事実(証拠)に裏打ちされたコンテンツというのは、ずっと残っていく。ノンフィクション作家ってすごいわ~と改めて思ってしまった。

私たちの場合、ウェブ上に残すコンテンツは、必ずしもここまでのハイレベルは求められていないのかもしれないけれど。もしかすると自分が死んだあとにも一生残るかもしれない情報、ネットの海を彷徨うかもしれないコンテンツなのだから、一期一会のつもりで、一生懸命コンテンツを作成したいと願う。

よくわかっているんだけど、本当に価値あるコンテンツを作り出すためには、その何倍ものリサーチやインプットが必要で、ここが、コンテンツを気軽に作ろうと思う人が固まっちゃうポイントなんだよなぁ。だって何書いていいか、ほんとにわからなくなるもんな~。

ということで、コンテンツメーカーになってみたい方には、この本、おすすめです。

調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940) 調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)
野村 進

講談社 2008-04-18
売り上げランキング : 2939

Amazonで詳しく見る by G-Tools

PR

関連記事

haiburo

1日4000字のコンテンツで修行しよう「新・いますぐ本を書こう!」 ハイブロー武蔵

サイト作りは本を書くのとほとんど同じ いまさら作家になりたいわけではないのですが、

記事を読む

【書評】ツイッターで学んだいちばん大切なこと――共同創業者の「つぶやき」 ビズ・ストーン

【書評】ツイッターで学んだいちばん大切なこと――共同創業者の「つぶやき」 ビズ・ストーン

暴露話も、成功本も、どの視点から語るかでだいぶ印象がことなるものです。Twitterを作り上

記事を読む

サイコサイバネティクス理論をビジネスに活用する(勝負脳の鍛え方)

サイコサイバネティクス理論をビジネスに活用する(勝負脳の鍛え方)

なぜだか、最近は「脳科学」にはまってしまい、類書をせっせと読んでいるわけですが、刺激を受けて脳が活性

記事を読む

2016-07-11 16-36-58

(書評)アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】 アトゥール ガワンデ (著), 吉田 竜 (翻訳)

ミスをしたくないならチェックリストを使おう 素晴らしい本に出会ったよね。 アナ

記事を読む

football-1274661_960_720

毎日、仕事日記を書く効用は「目標」「目的」を見失わないこと

仕事日記をつけよう 毎日、大量のお仕事に押し流されているうちに、今、自分のいる場所を見失っ

記事を読む

書評ブログでトレーニング「原稿用紙10枚を書く力」 齋藤 孝

書評ブログでトレーニング「原稿用紙10枚を書く力」 齋藤 孝

ブログを運営するとき、いつも困ってしまったのはネタ。もともと書くことは好きなので、比較的苦労せずにブ

記事を読む

次世代のメディア!インターネットの次に来るのは「本」?(指南役)

次世代のメディア!インターネットの次に来るのは「本」?(指南役)

実は、紙媒体の本って優れていますよね。最近は、夜は電子機器に触れないようにしているので、再び紙媒体を

記事を読む

真のプロの仕事は基本的な作業の「精度」を高めていくこと(心臓外科医の仕事術に学ぶ)

真のプロの仕事は基本的な作業の「精度」を高めていくこと(心臓外科医の仕事術に学ぶ)

神の手を持つ外科医も一歩ずつコツコツと 外科医のお仕事には純粋に興味があります。 ほ

記事を読む

517-VAf98mL._AA180_

壮大にボッタクリにあう方法「アジア・イスラムのお金がなくても人生を楽しむ方法「ハビビな人々」」中山茂大

壮大にボッタクリの被害に遭い続ける旅人の考察 Street Vendors, Ecuador

記事を読む

ポジティブ思考を形にする「ほめ日記」

ポジティブ思考を形にする「ほめ日記」

ブックオフでの立ち読みは、ストレスがたまってきた時の息抜きです。昔は10冊くらい購入してきていました

記事を読む

PR

PR

2016-07-11 17-05-32
ブログ引っ越しのお知らせ

このブログは現在更新しておりません。引っ越し先は下記のブログに

(書評)ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果 ゲアリー・ケラー (著), ジェイ・パパザン (著), 門田 美鈴 (翻訳)
(書評)ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果 ゲアリー・ケラー (著), ジェイ・パパザン (著), 門田 美鈴 (翻訳)

送料無料/ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果/ゲアリー・ケラー

2016-07-11 16-36-58
(書評)アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】 アトゥール ガワンデ (著), 吉田 竜 (翻訳)

ミスをしたくないならチェックリストを使おう 素晴らしい本

【書評】ツイッターで学んだいちばん大切なこと――共同創業者の「つぶやき」 ビズ・ストーン
【書評】ツイッターで学んだいちばん大切なこと――共同創業者の「つぶやき」 ビズ・ストーン

暴露話も、成功本も、どの視点から語るかでだいぶ印象がことなるも

お墓に入りたくない!散骨という選択肢。変わる価値観。
お墓に入りたくない!散骨という選択肢。変わる価値観。

自分の死後、骨をどうしようか、ってのは確かに考えます。そんな中、ひとつ

→もっと見る



  • WEBライターのヨシ・ノリハラです。日々コンテンツを作ったり、本を読んだりしています。

(書評)ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果 ゲアリー・ケラー (著), ジェイ・パパザン (著), 門田 美鈴 (翻訳)
(書評)ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果 ゲアリー・ケラー (著), ジェイ・パパザン (著), 門田 美鈴 (翻訳)

送料無料/ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果/ゲアリー・ケラー

2016-07-11 16-36-58
(書評)アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】 アトゥール ガワンデ (著), 吉田 竜 (翻訳)

ミスをしたくないならチェックリストを使おう 素晴らしい本

2016-07-11 17-05-32
ブログ引っ越しのお知らせ

このブログは現在更新しておりません。引っ越し先は下記のブログに

【書評】ツイッターで学んだいちばん大切なこと――共同創業者の「つぶやき」 ビズ・ストーン
【書評】ツイッターで学んだいちばん大切なこと――共同創業者の「つぶやき」 ビズ・ストーン

暴露話も、成功本も、どの視点から語るかでだいぶ印象がことなるも

お墓に入りたくない!散骨という選択肢。変わる価値観。
お墓に入りたくない!散骨という選択肢。変わる価値観。

自分の死後、骨をどうしようか、ってのは確かに考えます。そんな中、ひとつ

2016-06-29 18-09-16
葬式不要論への反論「葬式は必要!」を読みました

葬式は要らない!への反論 終活本は、時々、読みます。死につい

PAGE TOP ↑