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「トコノクボ」に見るネット自営業の「喜び」と「悲哀」

公開日: : 最終更新日:2016/06/11 ネット自営業

自営で生きていく人におすすめのマンガ

トコノクボ ―とある絵描きの半生記―

私は小さな事務所を持ち親族で事業を営んでいますので、
完全なるフリーランスとは言えないので
「ネット自営業」 なんて名乗っていますが・・
どんな呼び方をするにしても、自営業ってのは本当に
楽しさもあり、苦しさもあるよなぁって常々思います。

そこらへんは、自営業ならではのコンテンツを読んでみてください。
>ネット自営業(カテゴリ)

さて、本日は「トコノクボ」の話です。

無料ですが、素晴らしい作品が公開されてます。
イラストレーター、法廷画家として活躍しておられる
榎本よしたか先生の半生を描いた自伝的Web漫画です。

tokonokubo

トコノクボ

「ボクノコト」だと、ネーミングセンスがないので
「トコノクボ」にしちゃったセンスが素晴らしい。

実際、なんのことか分からないけどね(笑

自営業として生きていく「悲哀」

とくに番外編の、このストーリーにはドキっとさせられます。

tokunokoo1

番外編⑤眠れぬ夜に思うこと

自営の場合には「安定」という言葉は存在しません。
会社経営をしたり、上場しても同じ。

規模は違うけど。

私の場合は、社員14名ほどの会社でしたが、当時から
大きな不安にさいなまれてきました。
とくに支払日の数日前には(汗)

そして、会社の再編を行い、全くの親族企業になり
規模を小さくしたスモールビジネスになっても、この感覚に変わりはありませんでした。

やっぱり不安だし、安定なんてしないし、時に自分を責めます。

エントロピーの第二法則のように、秩序は無秩序に向かい・・
何もしなければ仕事は無くなってきます。
取引先も少なくなり、時代が求める仕事も変わっていきます。
生きているってことは常に破壊と再構築を
繰り返していくことなんだってのがビジネスをしていると痛いほど分かります。

自営業者にとって、何もしていない(破壊をしながらでも進んでいない)
ということは「死」を意味しているので、
順調な時もそうでないときも、一瞬たりとも走りやむことはありません。

これがハードなのです。
走り続けるってのは大変なことで(疲れてるのかな?~)

榎本よしたか先生のように成功しているイラストレーターでも
不安の波がおそってきた時にはそれに抵抗するのが難しいようです。

オチで、ご夫婦の会話で
「フリーランスあるあるかなと思って」という台詞が出てきますが

これはまさに「あるある」ですよね。

なんだかんだサラリーマンのほうが楽に決まってるん!

「専業でアフィリエイターになってみたい」とか、
「せどりや転売でもうかり出すとすぐに会社を辞める!」
「社畜にはならない!」とか意気込む人がいますが、

そんなに簡単なものではないとはっきり言えます。

退職して専業を経験された方のこのブログが響きます。

やっぱり、サラリーマンて楽だなぁってつくづく思いました(爆)
完全100%1人で仕事をしているので、
『楽でいいよね!』
って幾度となく言われましたが、アホなことをお!!
泣かず飛ばずの弱小ですよ、そんなわけない。
ひとりって本当にきつい。きつかった。どれだけ泣いたか、焦ったか。
25年ぶりに病院に行ったほど、心身ともにまいりました。

>本日で開業2周年記念!サラリーマンに戻る!アフィリエイト会計報告!の平成26年度初日の3連発と年度初めの目標提示!
[ブログ-笑来]

これから起業したい方には、
こういう正直な記事があるといいですよね。

無責任に起業、退職を勧めることなんてとても私にはできませんね。
現実を見据えたチャレンジが必要です。

私の主張も とよのさん とほとんど同じです。

>稼ぐのは簡単ではないと「割り切る」、副業レベルにとどめると幸せです。
(私の記事です)

それを越えるだけの「情熱」が無いと本業にはなりません。

私は、整体の道をしばし歩んでいたころがありました。
(ほんのちょっとですが・・)
整体で食べていける人ってのも結局はわずかですが、
まあ、生計がたたないわけです。

じゃあ、どうすっかというと、昼間は整体院でひたすら客待ち・・・
夜は一生懸命バイトとかするわけですね。
ミュージシャンとかお笑い芸人とかもそうですよね。
簡単に生計が成り立つわけが無いですよね。食べていけるだけの
市場価値を自分が生むまでは、無給でもやるのです。

それができなければ、とっても、つとまりません。
そこまでの情熱なんだってことです。つまりアマちゃんなわけです。
食べられて初めてプロって言える。

だからこそ(話が戻りますが・・汗)
榎本さんが、イラストレーターとして今生きているってのは
本当にすごいことだし、仕事が入り始めた時には一心不乱に
それをこなしていった、あの精神状態もよくわかるわけですよね。

私は、サラリーマンが「ブラックだ!」「時給が低い」という種類の
話題(愚痴)が大嫌いです。
そんな愚痴は全部自分に跳ね返ってきますからね。

>すべてボクが悪い(自営業者究極のコツ)

ちょっと鬱病になりそうな思考ですけどね。

自営業として生きていく「喜び」

もちろん、それでも辞めない(しがみついている)のには
自営業には魅力があるからですよね。
(なかなか今更雇われるのが大変ってのはあるけど)

逆説的に感じるかもしれませんが、

私は市場の厳しさが
自営でやっている人の「喜び」なんだと思います。

*市場ってのは、需要と供給で織りなされるあるんだかないんだか分からない世界です。
*市場原理ってほうが、ふさわしい印象かも。

市場は本当に価値のあるものしか残しません。
一瞬、スパム手法でぐんぐんと成果を上げたり、ずるして利益を得る人はいるけど
長い目で見て、価値の無いもの(人・会社)は退場を余儀なくされます。

それはそれは、気持ちの良いほどドライなものです。

私の場合は、前職が文房具屋さんで店舗を経営していたけれど
(卸業務として近隣事務所への納品業もしていた)
あきらかに時代のニーズに会社が沿っていないのが自分でも分かっていました。
なんとか立て直そうとしたけれど、結局「価値」を生んでいないうちの会社は
退場させられてしまいます。

個人個人のお客さんは良い人が多くて、なんとか店を存続させようと
一生懸命お買い物してくれたり、親切にしてくれましたが(笑
厳しい面を持つ、この市場ですが・・

その実、自分や会社が本当に価値のあるものを生み出していれば
それを率直に評価してくれます。

自分のやった仕事が、市場に受け入れられた、
顧客に評価されたってのは、リアルタイムで通帳とか銀行口座に反映されます。
(変な話ではありますが、それが事実です)

ただ、お客さんの生の声(フィードバック)・成果は裏切りません。
やった分だけ、成果という形で答えが出ます。

おだてられて、ほめられて、なれあってつくる自信ではなく、
自分が生み出したものが率直に市場に評価されている、これは
自信・自尊心を強くできる経験です。

厳しい上司にほめられたら、ほんとちょっとでもほめられたら、
甘い上司にほめられるより、そのほうがずっと嬉しいですからねw

もちろん、どんなコンテンツを生むときも、
それはそれは産みの苦しみです。
もうやめてしまいたい、と思うことも何度も何度もありますが、
それでも辞めてしまわないところに私の「喜び」があります。

経営者は常に孤独だから

経営者というのは「孤独」です。

今の私は経営者というにはあまりにも会社の規模が小さいですが・・
事業上の悩みを本当に相談できる人ってのは多くはありません。

・社員
・家族
・顧客

みな、親しくしても、自営業の舵取りをしている船長とは
まったくモノの見え方が異なっています。
また、それを理解してもらおうとするほうが無理です。
いる場所が違えば、見える風景も変わるんだから。

だからこそ、時々、その同じ地平でモノを見ている人がつぶやく一言が
胸に響いたり、うるっとしたりします。

ということで、何がなにやらわかりませんが、
トコノクボお勧めです!!

ウェブでは全部無料で見られますよん♪

(追記)

ありがたいことに、よしたかさんがTwitterでご紹介してくださいました。

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